欧州の二重外交 2012 11 17
2012年11月17日の時事通信社には、このようなニュースがあります。
「ドイツとロシア、プッシー・ライオットで火花」
【モスクワ時事】メルケル・ドイツ首相は16日、
モスクワで開かれたドイツ・ロシア両国の官民交流促進を目指す対話集会に、
プーチン大統領と共に臨み、ロシアの人権問題をめぐり火花を散らした。
ドイツ世論の懸念を踏まえたメルケル首相は、
ロシアの女性バンド「プッシー・ライオット」のメンバー投獄問題を提起。
女性バンドはモスクワの大聖堂で反政権ソングを歌い、
暴徒罪に問われ、10月に有罪が確定した。
メルケル首相は「ドイツなら禁錮刑になっただろうか」
「臭い物にふたをしてはドイツ・ロシア関係は良くならない」と疑問をぶつけた。
(以上、引用)
プーチン大統領は、メルケル首相の二重外交には、
おそらく「怒り心頭」だと思います。
メルケル首相は、今年(2012年)の9月に中国を訪問した時に、
胡錦濤国家主席と会談しましたが、
その時は、中国の人権問題は取り上げなかったと思います。
プーチン大統領にしてみれば、
「ドイツは、ロシアを中国よりも、
格下に扱っているのではないか」という怒りが出てくるでしょう。
確かに、中国は、21世紀に入って昇竜の勢いです。
しかし、ロシアにしてみれば、「この差は、何だ」という思いが強いでしょう。
一方、中国にしてみれば、
「これで、メルケル首相は、我々の影響下にあることが確認できた。
ドイツもロシアも、我々よりも格下になった」と思ったかもしれません。
欧州と中国 2012 9 1
2012年9月1日の朝日新聞には、
中国の胡錦濤国家主席と握手する、
ドイツのメルケル首相の写真があります。
メルケル首相は、中国を訪問して、
おそらく欧州の国債の購入継続をお願いしたのだと思われます。
ところで、欧州の得意分野である「人権問題」について、
メルケル首相は、中国に対して、改善要求したのでしょうか。
最近は、いつの間にか苦手分野になったのでしょうか。